看護記録方式の違い

看護記録には、SOAPやフォーカスチャーティングなどの種類があります。
SOAP形式は近年普及している看護記録の一つです。
患者の主観的情報(サブジェクティブ)・客観的情報(オブジェクティブ)、これらの情報を基にした看護師の評価を指すアセスメント、看護計画や治療方針を指すプランの頭文字を取って名付けられました。
患者の問題に焦点を当て、その問題に沿った治療や看護を提供するPOSの考え方が元になっています。
患者の問題全体を視野に入れ、総合的にケアや看護を行う点が特徴です。
一方看護記録には、フォーカス・チャーティング形式というものも存在します。
フォーカス・チャーティングとは、患者に焦点を当て、系統的に記述する看護記録です。
SOAP形式が患者の「問題」に焦点を当てるに対し、フォーカス・チャーティングは、患者の「1つ1つの事柄」に焦点を当ててケアや看護を行います。
系統的に記録するため、経過記録の書き方に統一性が生まれます。
また、時系列で記録するので、読み手側が重要事項を迅速かつ的確に把握できる点もメリットです。
フォーカス・チャーティングで注意するべき点は、書き手によってフォーカスする点が異なることです。
問題点を明確にできない看護師が記載すると、基準点が人によって異なってくるため、比較が難しくなります。
そのため、まずはSOAP形式で問題を明確にすることを学び、次のステップでフォーカス・チャーティングを習得するというステップを踏む病院も増えています。